全ての電子キーボードの祖!Universal Audio Moog Minimoogの使い方を解説!

Universal Audio
スポンサーリンク

伝説的シンセサイザーをプラグインで!

1970年にMoogが発売したMinimoog Model Dは、世界初のポータブルなシンセサイザーです。
画期的だったこの楽器は、後に開発されたあらゆるシンセサイザー・電子キーボードなどの原型になりました。

現在でもその唯一無二なサウンドは、多くのアーティスト・楽曲に影響を与えています。

Universal Audio Moog Minimoogがあれば、そんなMinimoogのサウンドをプラグインで再現することが可能です。

この記事では特に初心者の方に向けて、Moog Minimoogの効果的な使い方を紹介していきます。

Universal Audio Moog Minimoogの購入先

Moog Minimoogを含むUAD Producer Editionバンドルは7月23日夕方までセール中!
通常約7万円のプラグイン22種が入って約17,600円!

Moog Minimoog単品購入の場合も、通常約35,000円のところ75%オフ!約8,600円!

Moog Minimoogはこんな方におすすめ!

こんな方にオススメ!
  • アナログシンセサウンドを楽曲に取り入れたい方
  • いつもと違うシンセを使ってみたい方
  • 単体で鳴らしても図太い音を求めている方

Moog Minimoogの使用例

ここからはMoog Minimoogの使い方を簡単に解説していきます!

まずはプリセットから

Moog Minimoogは、実在するMinimoog Model Dを忠実に再現したプラグインです。

和音を演奏することは不可能で、同時に1音のみを鳴らすことができるモノフォニックシンセになっています。

実際のところ現代的に最適化されたソフトシンセや、Serum・Vitalなど近年主流になっているウェーブテーブルシンセなどと比較すると取っ付きづらい部分もあるかと思います。

しかし心配する必要はありません。購入したその日からすぐに使えるファクトリープリセットが多数搭載されているため、それらを選ぶだけで本格的なサウンドを簡単に使うことが可能です。

音色の種類、ジャンル、特徴ごとにタグ付けされており、簡単にプリセットを探すことができます。

中でも特徴的なのはドラムサウンドではないでしょうか。一般的に現代の楽曲制作ではドラム音源を使用したりサンプルの貼り付けなどで制作されることの多いドラムトラックですが、Minimoogを使ってキック、スネア、ハイハットなどの音色を鳴らすことで一気に独特の雰囲気を構成することが可能です。

細かい音色のカスタムも効きやすいですので、ぜひ一度鳴らしてみることをおすすめします。

詳細な使い方
CONTROLLERS・OSCILLATOR BANKセクション
  • ①Tune : 全てのオシレーターのピッチを調整(チューニング)
  • ②Glide : 音程が変わる時滑らかにピッチを変化させる機能(ポルタメント)に関して、音程変化の速さを調整。下部のスイッチがONの時のみポルタメントが有効。
  • ③Modulation Mix : 下部パネルの「Modulation Mix Sources」で選択したA・Bのモジュレーション量を調整。(後述)
    Aに振り切るとAのみ、Bに振り切るとBのみのモジュレーションが適用。
  • ④Oscillator Modulation : ONの時、オシレーター3、フィルターエンベロープ、ノイズ、LFO、サンプル&ホールド・モジュールから選択してオシレーターに変調(モジュレーション)をかけて音色を変化させることが可能。
  • ⑤OSC.3 Control : オシレーター3のキーボードコントロールのオンオフを切替。
    OSC.3をモジュレーションに使用する場合など、演奏する音程によってOSC.3の周波数が変わってほしくない場合がある。その際にオフにすることで、MIDIコントロールからOSC.3を切り離すことが可能。
  • ⑥⑦Oscillator1 : オシレーター1を設定。左から順に、
    ⑥Range → 基準となるオクターブを設定。時計回りに回すほど高音。
    ⑦Waveform → 6つの異なる波形(三角波、三角ノコギリ波、ノコギリ波、パルス幅の異なるパルス波)から選択可能。
  • ⑧⑨⑩Oscillator2 : オシレーター2を設定。左から順に、
    ⑧Range → OSC.1参照
    ⑨Frequency → OSC.1に対するピッチを調整。数字1目盛り分が1半音で、最大±7半音までの変更が可能。微小にずらすことでデチューン効果(音に厚みが出る)を得たり、ハモリを作成することが可能。
    ⑩Waveform → OSC.1参照
  • ⑪⑫⑬Oscillator3 : オシレーター2を設定。モジュレーションソースとして使うことが可能であるため、OSC.1・2とは異なる扱い方がされる場合も多い。左から順に、
    ⑪Range → OSC.1参照
    ⑫Frequency → OSC.2参照
    ⑬Waveform → 6つの異なる波形(三角ノコギリ波の代わりに逆ノコギリ波)から選択可能。
    逆ノコギリ波は、音として聴いた時ノコギリ波とほぼ違いが無いが、モジュレーションに使用する場合音色に差が生まれる。

音の発音部であるOscillatorセクションと、音色を直接コントロールするControllersセクションです。

オシレーター3はオシレーター1・2と同様に並んでいるように見えますが、モジュレーションソースとして使われる場合3からの音は鳴っていない場合が多いです。

プリセットを見比べつつ、どのオシレーターからどのような音が出ているかを確認すると良いでしょう。

MIXER・MODIFIERSセクション
  • ①②③Volume : 隣にあるOSC.1~3のボリュームを設定。青いスイッチのオンオフにより、ボリューム設定を保持したままオシレーターのオンオフの切替が可能。
  • ④External Input Volume : 下部パネルの「Input」スイッチが「Feedback」の時、このスイッチをオンにすることで出力音声をもう一度ミキサーに戻し、さらに大きい音量で歪んだサウンドを得ることが可能。
    スイッチがオンの時、つまみでミキサーに戻す音量を設定。
  • ⑤Noise Volume : ノイズオシレーターの音量を設定。右のスイッチによってホワイトノイズ/ピンクノイズを切り替え可能。(ホワイトノイズの方が音色が明るく、ピンクノイズは低域を多く含む)
  • ⑥Filter Modulation : オンのとき、MIDIコントローラーのモジュレーションホイールでフィルターの⑧Cutoff Frequency(後述)に変化を加えることが可能。
  • ⑦Keyboard Control : オンのとき、演奏した音程によってフィルターの⑧Cutoff Frequencyに変化を加えることが可能。
    設定可能なCutoff Frequencyの最大値に対して、上のスイッチがオンの時1/3、下のスイッチがオンの時2/3の量の変調が加わる。同時にオンにすると最大の変調が適用される。
  • ⑧~⑬Filter Contour : 音色に掛かるフィルターの変調をコントロールするパラメーター。
    ⑧Cutoff Frequency : ローパスフィルターが適用される周波数を設定。10Hz~32kHzの範囲で24dB/octのフィルターが適用される。
    ⑨Emphasis : ⑧Cutoff Frequencyで設定した周波数付近の帯域を強調する度合いを設定。他のシンセサイザー/フィルターなどでは「レゾナンス」とも呼ばれる。
    ⑩Amount of Contour : ⑪~⑬で設定するエンベロープによって、フィルターが開く量を設定。
    ⑪Attack Time : ⑧Cutoff Frequencyの設定値から⑩Amount of Contourの設定値までフィルターが開く時間を設定。
    ⑫Decay Time : フィルターが開く最大値から⑬Sustain Levelの設定値までフィルターが閉じる時間を設定。
    ⑬Sustain Level : フィルターが最大値まで開いてから、ノートが入力されている間に保持するカットオフ周波数を設定。
  • ⑭~⑯Loudness Contour : 音色の音量変化をコントロールするパラメーター。
    ⑭Attack Time : 音が鳴り始めてから最大音量に達するまでの時間を設定。
    ⑮Decay Time : 最大音量に達してから⑯Sustain Levelまで減衰する時間を設定。
    ⑯Sustain Level : 最大音量に達してから、ノートが入力されている間に保持する音量を設定。
  • ⑰Decay : オフのとき、音の入力が終わった(鍵盤を離した)後に音が無くなるまでの時間が極端に短くなる。
    オンのとき、⑫Decay Time・⑮Decay Timeで設定したディケイタイムがリリースタイム(鍵盤を離してから音が鳴り終わるまでの時間)にも適用される。これはFilter Contour、Loudness Contour両方に適用される。

Mixerセクションで各オシレーターの音を混ぜ、Modifiersセクションでフィルターや音量の時間変化を設定します。

このフィルターの音色こそが特有のサウンドを形成していると言っても過言ではないので、どのパラメーターを動かすとどのような音色変化があるのかを掴むことが鍵になるでしょう。

MODIFICATIONS・総合セクション
  • ①プリセットブラウザ : 購入したその日からすぐに使えるファクトリープリセットを選択したり、自身で作成したプリセットの保存・呼出が可能。
  • ②Volume : 最終的な出力音量を設定。
  • ③Power : シンセサイザー全体のオン/オフを切替。
  • ④Bend Range : モジュレーションホイールによるピッチベンドの幅を設定。(“7″の時、実機Minimoogと同じ設定)
  • ⑤Modulation Amount : MIDIコントローラーのモジュレーションホイールを使用しない場合、DAWのオートメーションなどでこのパラメーターを操作することで同様なコントロールが可能。
  • ⑥Modulation Mix Sources : モジュレーション元として扱うパラメーターを設定。
    AではOSC.3 / Env.2(Filter Contour)、BではNoise / Sample&Hold※ / LFOから選択可能。
    それぞれで設定したモジュレーションの強度を”CONTROLLERS”セクションの”Modulation Mix”ノブで調整する。
    ※Sample&Hold : ノイズオシレーターの入力を一定期間で区切ってホールドすることで、一種のランダムモジュレーターとして使用する。
  • ⑦LFO : 一定周期ごとに変調が可能な低周波オシレーター。
    左から順に、波形選択(三角波 / 矩形波), 周期(0.05Hz~200Hzまたは1/64~全音符), SYNC(DAW側のBPM同期のオンオフ)を設定可能。
  • ⑧Key Mode : 複数ノーツを同時に入力した際の挙動を設定。
    LOWEST/LAST : LOWESTの場合、入力した最低音のノートが優先(実機の挙動)。LASTの場合、最後に入力したノートが優先。
    LEGATO/RETRIG : レガート奏法(1つのノートを押さえたまま別のノートを演奏すること)の際、フィルターエンベロープを再度開く(RETRIG)か、再トリガーしない(LEGATO)かを設定。
  • ⑨Input : “External”に設定時、Apolloシリーズのオーディオインターフェースを使用している場合、オーディオとして入力した音を処理可能。(基本的にはFeedbackでOK。)
  • ⑩⑪Velocity : MIDIノートのベロシティ(強弱)に連動するパラメーターを設定。
    ⑩Cutoff Frequency, Filter Contour : 強い入力ほどフィルターを開き、弱い入力ほどフィルターを閉じる設定。
    それぞれ”MODIFIERS”セクションの⑧Cutoff Frequencyと⑩Amount of Contourに対応。
    ⑪Loudness : 強い入力ほど音量を大きく、弱い入力ほど音量を小さくする設定。

パネル下部のMODIFICATIONSセクションは、実機Minimoogには存在しないパラメーターが集まっています。プラグインならではの機能性が得られるので、より拡張性のある音作りに有用です。

おすすめの使用例

今回はMoog Minimoogのみを使用して簡単な楽曲を1曲制作してみました。

外部エフェクトはシンプルなEQ、コンプレッサー、リバーブ等を使用しています。

使用例

実際の楽曲制作ではもちろん全てをMinimoogから作る必要はありませんが、このようにドラム、ベースからリードサウンドまで幅広く使用することが可能です。

例1 : ドラム

 キック : プリセット”Kick 2″を微調整

 スネア : プリセット”Snare 2″を微調整

 ハイハット : プリセット”Snare 2″の「Decay Time」を中心に調整。

キックは主に三角波を低く鳴らし、フィルターをコントロールすることでサウンドを作っています。

スネアやハイハットではノイズ音を中心に、ディケイタイムなどをコントロールすることで音色に差を出しています。

例2 : ベース

 ベース : 2台のMinimoogを使用

 画像はミッドベースとしてプリセット”Octave Prog”を調整。

 サブベースとして1オクターブ下で鳴らした別のベースを外部EQでローパスしてレイヤー

Minimoogが本領を発揮するのはやはりベースなどの太いサウンドではないでしょうか。

プリセットを選択するだけで、存在感のあるベースを簡単に鳴らすことができます。

今回はEQで棲み分けを行った上で、1オクターブ下のサブベースとレイヤーしました。

例3 : リード

 リード1 : プリセット”Obolsh”を微調整

 リード2 : プリセット”Coppertop”を微調整

芯になるサウンドと、ノイズを中心としたサウンドをレイヤーしました。

今回は比較的シンプルな音色を採用しましたが、アナログ特有の太さを生かしたアグレッシブなプリセットが多数搭載されています。

まとめ

Universal Audio Moog Minimoogは、伝説的シンセMinimoog Model Dをデジタルで忠実に再現したプラグインです。

近年のクラブミュージックシーンでは、アナログサウンドをリバイバルする動きも見られています。現代的な楽曲でも、ワンポイントで取り入れることで太く存在感のあるサウンドが得られること間違いなしです。

皆さんもぜひMoog Minimoogを手に入れて、楽曲に厚みを加えてみてはいかがでしょうか。

こちらの記事はDTM・プラグインに精通したクランとリオンSTAFFが執筆した記事となります。

クランとリオンをフォローする
タイトルとURLをコピーしました