マスタリングを完了させるテープマシン!Universal Audio Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderの使い方を解説!

Universal Audio
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一流のテープの歪みを簡単に付加!

アナログレコードの作成の際には、テープレコーダーによるマスタリングが行われてきました。

このテープマシンから生まれるサチュレーション・色付けが音色に温かみを与え、豊かなサウンドを生み出しています。

Universal Audio Ampex ATR-102は、Ampex Corporationから公認された唯一のテープマシンシミュレーターです。

この記事では特に初心者の方に向けて、Ampex ATR-102の効果的な使い方を紹介していきます。

Ampex ATR-102の購入先

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Ampex ATR-102はこんな方におすすめ!

こんな方にオススメ!
  • テープの温かみをサウンドに加えたい方
  • マスタリングにおいてグルー効果やサチュレーションを与えたい方
  • Lo-Fiな雰囲気を自然に演出したい方

Ampex ATR-102の使用例

Ampex ATR-102の使い方を簡単に解説していきます!

基本の使い方

Recordでテープ回路への入力信号の大きさを調整します。ゲインを大きくするほど強い色付けが行われます。
Reproduceでテープ回路からの出力信号の大きさを調整します。
AutoGainがオンの時、①Recordと②Reproduceは連動してゲインを保つように動きます。

①~③のパラメータはL/Rチャンネルにそれぞれ搭載されており、④Linkがオンの場合連動して動きます。
Unlinkの場合個別に動作します。

Tape Speedでは、テープマシンの回転速度を切り替えます。
高速であるほど原音に忠実なサウンドが再生されるため、ハイファイサウンドが求められる場面では30(IPS)が主に採用されます。
ロックなど特定のジャンルにおいては、その低域の特性や色付けによって15(IPS)が好まれる場合もあります。
7.5/3.75(IPS)については音質の変化がより大きく、特定のサウンドが必要な場合に選択されます。

Tape Formulaでは、使用するテープの種類を選択します。サウンドが異なるテープが最大7種類用意されており、他のパラメータによって選択可能なテープが切り替わります。
Cal Levelでは、テープのキャリブレーションを自動的に設定します。入力レベルが大きすぎる/小さすぎる時に設定するのがおすすめです。
Head Widthでは、テープヘッドのモデルを切り替えます。⑤Tape Speedが7.5/3.75の場合、1/4″のみが選択可能です。

詳細な使い方
各部説明
  • ①プリセットブラウザ : 購入したその日からすぐに使えるファクトリープリセットを選択したり、ユーザーが作成したプリセットの登録・呼出が可能。
  • ②Record : テープ回路への入力信号のゲインを調整。
  • ③Reproduce : テープ回路からの出力信号のゲインを調整。
  • ④AutoGain : ②Recordと③Reproduceを連動させ音量を一定に保つ。
  • ⑤Meter : 左側のメーターの表示内容を入力信号(IN)/出力信号(OUT)から切替。
  • ⑥Open/Close : ⑱~㉔のSecondary Controlsを開く。
  • ⑦Link/Unlink : 左右チャンネルのパラメータ(②~⑤および㉓~㉕)の連動を切替。
  • ⑧Emphasis EQ : 減衰した高周波を強調するエンファシスEQとハムノイズをNAB(米国標準・60Hzのハムノイズ)/CCIR(英国標準・50Hzのハムノイズ)から切替。テープスピードにより固定されている場合がある。
  • ⑨Tape Formula : サウンドの異なるテープの種類を切替。
  • ⑩Cal Level : 入力信号が適正でない場合に、キャリブレーションレベルを自動で調整。
  • ⑪Head With : 幅の異なるテープヘッドを切替。
  • ⑫Sync : レコードヘッドを介したダイレクトなテープ録音。周波数特性が劣るためあえてLo-Fiサウンドを得る場合の使用が推奨。
  • ⑬Input : テープ回路以外の回路のみをエミュレート。
  • ⑭Repro : 全ての回路を通した一般的なエミュレート。
  • ⑮Thru : 全ての回路をバイパス。
  • ⑯Power : プラグイン全体のバイパス。(⑮Thruと同機能)
  • ⑰Tape Speed : テープマシンの回転速度を切替。
  • ⑱Cross Talk : 左右チャンネルの信号のにじみの有無を切替。
  • ⑲Wow&Flutter : ワウ&フラッター(テープ回路を通すことによるピッチの揺らぎ)の有無を切替。
  • ⑳AutoCal : Tape Formula、Tape Speed、エンファシスEQ、Head Widthに応じて自動的にフラットなキャリブレーションを適用。
  • ㉑Hiss&Hum : ヒスノイズ、ハムノイズの有無を切替。
  • ㉒Transformer : トランス回路の有無を切替。
  • ㉓Record EQ : テープの録音回路に適用されるEQ(広域を強調するHF EQと幅広く広域を補正するShelf EQ)を調整。
  • ㉔Repro EQ : テープの再生の際に適用されるリプロEQ(低域を調整するLF EQと広域を調整するHF EQ)を調整。
  • ㉕Bias : レコード信号のバイアス量(可聴域を超えた発信器)を調整し、テープによるひずみの量を調整。

具体的な使用例

例1 : ボーカル (プリセット”Classic Vocal Smooth”を調整)

↑加工前   加工後↓

例2 : ドラム ※Lo-Fiな演出のために使用 (プリセット”Vintage Sunbaked Cassette”を調整)

↑加工前   加工後↓

例3 : 2mix (プリセット”Clean Ultralinear Master”を調整)

↑加工前   加工後↓

自然なサチュレーションを与えてパワーを出す用途でも、あえて音質を落としたLo-Fiな演出にも使えますね。

まとめ

Ampex ATR-102は、伝説的なテープマシンをエミュレートした唯一の公認プラグインです。

デジタルなDTMネイティブの方だとテープマシンの重要性は分かりにくいかもしれませんが、このような自然なサチュレーションの積み重ねが、太く暖かみのある音を形成します。

皆さんもぜひAmpex ATR-102を手に入れて、暖かみのあるテープサウンドを取り入れてみてください。

こちらの記事はDTM・プラグインに精通したクランとリオンSTAFFが執筆した記事となります。

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