あらゆる情報を数値化・可視化!メーター表示を拡張!
目に見えない音を操る音楽制作では、音を数値化するメーターが頼りになります。
一般的なDAWにもピークメーターなどは付属していますが、それらの情報をさらに拡張することでより便利なDTMが可能になります。
iZotope Insight 2は、プロジェクト内のあらゆる情報を視覚的に表示できるマルチメータープラグインです。
この記事では特に初心者の方に向けて、Insight 2の効果的な使い方を紹介していきます。
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Insight 2はこんな方におすすめ!
- ミキシング・マスタリングの精度を上げたい方
- ピーク、ラウドネス、ステレオイメージなどを一画面で確認したい方
Insight 2の使用例
Insight 2の使い方を簡単に解説していきます!
基本の使い方
Insight 2はメーターを表示するためのプラグインであり、音に変化を加えるエフェクトではありません。
トラック単位に使用することもできますが、基本的にはマスタートラック(または各トラックをまとめたバス)にインサートすることで、「今どんな音が鳴っているのか」を確認するのがおすすめです。
※Insight 2はサラウンド環境でも使用可能ですが、この記事ではLR2chのステレオ環境を前提に説明します。

Insight 2には7種類のモジュールが搭載されており、①上部メニューから表示内容を選択可能です。
必要な情報のみを表示することで、使いやすいマルチメーターをカスタマイズすることができます。
・Loudness : ラウドネス(人間の聴感上の音量を基準に数値化した音の大きさ)を表示。
・Levels : 瞬間的なピークレベルとRMS(単位時間内の音量の実効値)を表示。
・Sound Field : 左右のパン、ステレオの広がりを表示。
・History : ラウドネスの時間変化をグラフで表示。
・Intelligibility : プロジェクト内におけるダイアログの明瞭さを表示(主に喋り声を扱う場合に使用)
・Spectrum : その瞬間における周波数ごとの振幅をスペクトラムアナライザとして表示。
・Spectrogram : 周波数ごとの振幅の時間変化を表示。
各モジュール右上の②三角マークをクリックすることで、選択したモジュールを拡大表示できます。
③プラグイン右下をドラッグすることで、UIの表示サイズを変更可能です。
詳細な使い方
各モジュールについて、主に音楽制作でよく扱うものを紹介します。
Loudnessモジュール

- ①Short Term : 3秒ごとの短期的なラウドネスを表示。
- ②Integrated : 音声が再生されている期間全体の長期的なラウドネスを表示。
- ③Momentary : 400ミリ秒ごとの瞬間的なラウドネスを表示。
- ④LRA : ラウドネスレンジ(最大音量と最小音量の差)を表示。
- ⑤True Peak : トゥルーピーク(瞬間的な最大音量)の最大値を表示。
- ⑥Target : プラットフォームやさまざまな基準に合わせたラウドネスのターゲットを設定。
Levelsモジュール

LRチャンネルそれぞれのピークメーターを表示します。
上部には、具体的なピーク値とRMS値が数値で表示されます。
Peakの値は最大値が随時更新されます。数字をクリックすることでリセット可能です。
Sound Fieldモジュール

サウンドの左右幅・パンを視覚的に表示します。
下部で表示方法を切替可能です。
①Polar Sampleでは、各サンプル(デジタルでオーディオを扱う最小単位)ごとのステレオ位置をドットで極座標表示します。
②Polar Levelでは、各サンプルのステレオ位置を平均化して線状に極座標表示します。
③Lissajousでは、各サンプルのドットをオシロスコープ上のリサジュー図形として表示します。モノラル信号では縦の直線となり、ステレオに広がるほど横方向の広がりが生まれます。
Historyモジュール

ラウドネスの時間変化を記録します。
Short Term、Integrated、Momentaryが重なって表示されます。
LoudnessモジュールのTargetで設定したターゲットラウドネスが赤い点線で表示され、IntegratedがTargetを超えた場合赤線で表示されます。
Spectrumモジュール

横軸が周波数、縦軸が振幅の一般的なスペクトラムアナライザが表示されます。
Spectrogramモジュール

個別のトラックにRelay(対応しているiZotope製品のインストール時、同時にインストール可能)をインサートすることで、左側のSelect a Sourceから複数トラックのスペクトログラムを重ねて表示可能です。

3Dアニメーションで表示されるスペクトログラムは、下部のボタンから5種類の表示方法を選択可能です。
具体的な使用例

個人的な使い方としては、Loudness、Levels、Sound Field、Historyを選択し、画面を縦長にした状態で常に画面上に表示しています。
主にラウドネスやピークレベルの確認に使用し、必要な時はSound Fieldを拡大表示してパンなどの確認を行っています。
あくまでもこれは一例ですので、使いやすい表示方式を探ってみてください。
まとめ
iZotope Insight 2は、音楽制作に必要な情報を一括で確認できるメータープラグインです。
もちろん聴いて判断するための耳を鍛えることは重要ですが、曖昧な情報を可視化することで分かる情報は非常に多く存在します。
皆さんもぜひInsight 2を手に入れて、制作のサポートツールとして活用してみてください。