一味違うFET系コンプ!Purple Audio MC77の使い方を解説!

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伝説的コンプの公認モデリングプラグイン!

言わずと知れた伝説的コンプレッサーUrei 1176を再現し、そこにサイドチェイン回路を加えたPurple Audio MC77。
今回紹介するのは、そんな実機コンプレッサーをPurple Audio監修の下プラグイン化したものとなります。

公認だけあって実機の再現度は随一と言われており、他の1176系コンプと一味違うFETコンプを探している方に是非お勧めしたいプラグインになっています。

Purple Audio MC77の購入先

Purple Audio MC77はこんな方におすすめ!

こんな方にオススメ!
  • 1176系コンプを持っていない方
  • 多機能な1176系コンプを探している方
  • 他の人と違う1176系コンプが気になる方

Purple Audio MC77の使い方

ここからはPurple Audio MC77の使い方を簡単に解説していきます!

Purple Audio MC77使い方
各部名称
  • ①バイパススイッチ:DAW側のバイパスと連動。
  • ②INPUTゲイン:入力音量を調節。
  • ③OUTPUTゲイン:出力音量を調節。
  • ④INPUT/OUTPUTリンク:入力/出力音量を連動してコントロール。
  • ⑤ATTACK:アタック速度を20~800μsの範囲で調整(7が最速、1が最遅)。
  • ⑥RELEASE:リリース速度を50ms~1.1sの範囲で調整(7が最速、1が最遅)。
  • ⑦RATIO:圧縮比率を4段階で選択。HOLDボタンで複数押しが可能。
  • ⑧METERセクション:ゲインリダクション(音の圧縮量)やINPUT/OUTPUTゲインを切り替えて表示。
  • ⑨TMT(Tolerance Modeling Technology):Brainworx社独自の技術により、20台の実機ごと微妙に異なるサウンドを再現。切り替えることでよりリアルな実機の動作を実現。
  • ⑩HEADROOM:ゲインリダクションの量を調整。いわゆるスレッショルド的な操作が可能。
  • ⑪HP-SC FILTER:サイドチェイン信号へのハイパスフィルタ。
  • ⑫PARALLEL MIX:圧縮された音と原音を混ぜてパラレルコンプレッションが可能。

上記はモノラル用UIですがMC77にはステレオモードも搭載されており、ステレオ時のみ有効になる機能もあります。

各部名称
  • ①SC-LINK:サイドチェイン入力時、サイドチェイン信号によって左右が同じ量リダクションされるか否かを選択。(例えばLチャンネルのみに信号が入力された時、オフならLチャンネルのみがリダクション、オンならLRチャンネルが同量のリダクション)
  • ②PARAMETER LINK:2チャンネルのパラメータを変更した時の動作を選択。
    OFF:パラメータがリンクされない
    STANDARD:パラメータが同じ値に設定される
    PROPORTIONAL:一度OFFモードで2チャンネルを別の値に設定した後、PROPORTIONALモードに変更することで各チャンネルが連動して動作する
  • ③M/S:L/RモードとM/Sモードの切り替え
  • ④MONOMAKER:指定した周波数以下をモノラルに保つ
  • ⑤STEREO WIDTH:MONOMAKERで指定した周波数より上の帯域のステレオ幅を操作。

1176系コンプの基本的な使い方は以下の動画をご参照ください。

クランとリオン1176解説動画

以下、MC77独自の機能をいくつか紹介します。

INPUT/OUTPUTリンクが分かりやすい

76コンプの基本の使い方をごく簡潔にまとめると、「①INPUTを上げて」「②固定のスレッショルドに引っ掛けてリダクションさせて」「③上がりすぎた音量をOUTPUTで下げる」という手順になります。

実機の場合、両手を使ってINPUTを上げながら同時にOUTPUTを下げるという動作が可能なのですが、マウスでプラグインを操作する場合そうもいきません。

そこで有用なのがこのリンク機能です。
リンクON→INPUTを上げてリダクション量を決める→リンクOFF→OUTPUTで最終的な音量を決める
という手順を踏むことで、INPUTが上がることで音が良く聴こえてしまう錯覚に惑わされずコンプの掛け具合を決めることができます。

INPUT/OUTPUTリンクの使用例

実は他社製76系コンプでも「Shift+ドラッグでI/Oリンク」などの機能が実装されているものがたまにあるのですが、パッと見で分からずほぼ隠し機能になっていたりそもそも実装されていなかったり、正直あまり使っている人を見かけませんでした。

明確に機能として表に実装されているのは好印象です。

簡単なパラレルコンプ

コンプを掛けた音と原音を混ぜて利用するパラレルコンプレッションは現代的なボーカルなどでよく使われる手法です。

MIXつまみが無いコンプレッサーでパラレルコンプを実現しようとすると、トラックの複製や複雑なルーティングなど面倒な手順が必要になってしまいます。
MC77にはMIXつまみがありますのでそれは不要です。

きつめにリダクションさせた設定に対して原音を混ぜることで、積極的な音作りと自然な音色を両立させることができます。

実質スレッショルドに相当するHEADROOM機能

「76コンプはスレッショルド固定!」というのは、ある程度プラグインのことを知っている方には常識だと思います。

しかしこのHEADROOM機能により、明らかに可変スレッショルドに相当する機能が実装されてしまっています。
相対的な値の指定なので精密に調整することは難しいのですが、INPUT/OUTPUTでの設定に囚われない音作りが可能になっているのは間違いありません。

HEADROOM以外の設定を揃えた状態で、同一の素材にコンプを掛けて検証
おまけかと思いきや本格的なステレオイメージャー

コンプにイメージャーが付いているのは一見謎でしかないように思えますが、意外にこれが本格的な音作りに利用できます。

例えばドラムループ素材にコンプを掛けた後、全体のステレオ幅を広げるような音作りをMC77一台で行うことが可能です。

上記の動画ではSTEREO WIDTHを極端に広げつつ、MONOMAKERで周波数を指定することによりキックなどの低域をセンターに収めるように調整しています。

元素材によりますが、最大の400%までSTEREO WIDTHを広げても比較的自然な音のままステレオ幅が広がっているのではないかと思います。

もちろん別途イメージャープラグインを利用すれば実現可能な音作りではありますが、あえてMC77の中で処理する意味のある機能だと思います。

まとめ

Purple Audio MC77は1176系コンプをさらに多機能にした高性能プラグインです!
76コンプ最初の一台としても、既に他プラグインをお持ちの方の追加の一台でも、必ず活躍できる場所があるはずです。

筆者の用途では、ボーカルMIXなどでほぼ必ず使うプラグインの一つになっています。
アナログモデリングプラグインに抵抗がある方も、ぜひこの機会に導入してみてはいかがでしょうか。

こちらの記事はDTM・プラグインに精通したクランとリオンSTAFFが執筆した記事となります。

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