聞き手が飽きないアレンジを簡単に作れる!
楽曲の展開作りに悩んだ経験は誰しもあるのではないでしょうか。クラブミュージックなどでは特に同じフレーズの繰り返しになってしまいがちで、飽きさせないアレンジ作りは永遠の課題です。
iZotope Stutter Edit 2を使うことで、通常の楽曲制作では得られない特殊効果を簡単に楽曲に取り入れることができるようになります。
この記事では、楽曲制作の中でのStutter Edit 2の効果的な使い方を紹介していきます。
Stutter Edit 2の購入先
Stutter Edit 2はこんな方におすすめ!
Stutter Edit 2の使い方
ここからはStutter Edit 2の使い方を簡単に解説していきます!
基本の設定
Stutter Edit 2では、複数のエフェクトとリズムを組み合わせた音色加工の事をジェスチャーと呼びます。
加工したいトラックにStutter Edit 2をインサートした上で、MIDI信号を送ることによってリアルタイムにジェスチャーエフェクトを掛けることができます。
※トラックにインサートしただけでは何も起きません!
以下、Studio Oneでの設定方法を記載しますが、どのDAWでも同様の設定を行うことでStutter Edit 2を使用することができます。
これで事前準備は完了です。
なお、このMIDI設定手順についてはプラグイン画面上部のPlay Modeボタンをクリックすることで、使用中のDAWに対応した設定方法を画像付きで見ることができます。
また、Play Mode画面では左側のボタンによってMIDIモードとAUTOモードを切り替えることができます。
MIDIモードではMIDI信号を入力することによってジェスチャーが作動するようになり、MIDIを編集することによってリアルタイムにサウンドを切り替えられるようになります。通常、楽曲中ではこちらのモードを使います。
AUTOモードではMIDI入力に関係なく、プラグイン画面上で選択したジェスチャーが繰り返し流れ続けます。ジェスチャーを選んだり組み合わせたりする際、サウンドを確認するのに便利なモードです。
プリセットからジェスチャーを利用する
Stutter Edit 2を立ち上げると何やら複雑な画面が出てくるので、抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし心配する必要はありません。Stutter Edit 2は購入したその日からすぐに使える多数のファクトリープリセットが収録されており、その中から選択するだけでプロが作ったジェスチャーエフェクトを楽曲に取り入れることができます。
今回こちらの楽曲を加工していきます。
ご覧のように非常に多くの設定可能な項目がありますが、最初のうちは全て覚えなくても大丈夫です!
まずは、
・①のブラウザから、プリセットを選択して各鍵盤に割り当てられたジェスチャーを切り替えて表示できること
・②の内容がなんとなく見てわかること
を目標に触りはじめてみましょう。
まずはブラウザをクリックして、Factory Banks → Master Bus → CLASSIC MODULATION FXのプリセットをダブルクリックで開いてみます。
このプリセットは比較的シンプルで変化が分かりやすいものが多いです。
プリセットを選択すると、右側にピアノの鍵盤とジェスチャー名が並んでいます。
この図の通り、1つのプリセットには鍵盤1つに対して1つのジェスチャーが割り当てられており、対応するMIDI信号を送ることで該当のジェスチャーがトラックに適用されるようになっています。
このプリセットでは、C2より上の鍵盤にジェスチャーが割り当てられているようです。
まずは試しに、画像のように前半4小節にはC2、後半4小節にはE2の信号を送ってみます。
いかがでしょうか。たったこれだけのMIDI信号を送るだけで、動きのある効果的なサウンドを作ることができました。
プリセットを自分好みにカスタマイズする
もう少しプリセットの中身を見てみましょう。
下の画像はC2にアサインされているJet Planesというジェスチャーです。
FLANGERエフェクトのみが有効になっていることがわかります。
ここで注目したいのは上部のジェスチャーコントロールパネルです。
Lengthの項目では、1つのジェスチャーの長さを設定できます。
現在の設定では1BARのため、このジェスチャーは1小節を基準として動作しています。
また、Palindromeの項目がONの時、ジェスチャーが終点まで来ると今度は終点から始点に向かって逆方向に動きます。
逆にOFFの時、ジェスチャーが終点まで来るとすぐに始点に戻ってループ再生を行います。
今掛かっているエフェクトがジェスチャー内のどの位置にあるのかは、左上の図によって示されます。
つまりまとめると、このJet Planesというジェスチャーは1小節かけて始点から終点までパラメータが動き、次の1小節で終点から始点まで戻ってくる、2小節をワンセットとして作動するジェスチャーであるということです。
先ほどの音声を聞いてみると、確かに2小節で1ループの音になっていることが分かります。
試しに、このジェスチャーのLengthを1/4(=1拍)、PalindromeをOFFに変更してみます。
同様にE2に割り当てられたERRORというジェスチャーも見てみます。
すると今度は、Lengthが1BAR、PalindromeはOFFとなっていました。
つまりこのジェスチャーは、1小節をワンセットとして作動するジェスチャーであるということです。
また先ほどとは異なり、STUTTER, BUFFER, LO-FI, REVERB, DISTORTと複数のエフェクトが組み合わさったジェスチャーであることも見て取れます。
今度は、Lengthを1BARから2BARS(2小節)に変更してみましょう。
さて、この状態で、MIDIノートは全く変更せずに再生するとどのようなサウンドが得られるでしょうか。聴いてみましょう。
なんと、ジェスチャーコントロールパネルのごく一部を変更しただけなのに、先ほどとはガラっと異なるサウンドに変化しました!
このように、はじめから全部を把握せずとも、エフェクティブで多種多様なサウンドを手に入れられてしまうのがStutter Edit 2の素晴らしさなのです。
充実の公式チュートリアル・マニュアル
Stutter Edit 2は非常に奥の深いプラグインで、今回紹介した使い方以外にも、0から自分だけのオリジナルジェスチャーを作り出したり、より激しい動きを加えてさながらDJプレイのような効果を産み出したりと、無限大の可能性を含んでいる製品です。
Stutter Edit 2のことがもっと気になる方、Stutter Edit 2を最大限使い倒したいという方は、是非iZotope公式YouTubeチャンネルから提供されているチュートリアル動画を参考にすることをおすすめします。
多くの動画が日本語で提供されており、より実践的・ハイレベルなコンテンツが揃っています。
また、本記事では構成の都合上駆け足で説明してしまった内容もありますが、iZotope製品には公式日本語マニュアルが存在します。
各エフェクトの詳細なパラメータやカーブ・エディターの使い方など、ぜひこちらも合わせてご参考ください。
まとめ
iZotope Stutter Edit 2は、エレクトロニカ界のレジェンドBTとiZotopeの共同開発によって誕生した、特殊効果を産み出すことに特化したプラグインです!
通常では演出するのが困難なサウンドがこれ一つで得られてしまうため、DTM初心者・上級者を問わず有用なプラグインになっています。
皆さんもぜひStutter Edit 2を手に入れて、斬新な演出を楽曲に取り入れてみてはいかがでしょうか。