クラブミュージック必携の最強ダッキングツール!Devious Machines Duckの使い方を解説!

Devious Machines
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痒いところに手が届くダッキング用エフェクト!

クラブミュージックに必須なテクニックであるダッキング。本来はサイドチェインコンプを使うテクニックでしたが、今ではダッキング用のエフェクトやボリュームオートメーションを使う手法が主流になっています。

Devious Machines Duckは、グルーヴを繊細にコントロールするためのダッキング処理が簡単に・精密に可能なダッキングエフェクトです。

この記事では特に初心者の方に向けて、Devious Machines Duckの効果的な使い方を紹介していきます。

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Devious Machines Duckはこんな方におすすめ!

こんな方にオススメ!
  • とにかく手軽にダッキング処理を行いたい方
  • キックやベースの干渉を精密にコントロールしたい方
  • 楽曲のグルーヴ感を重視したい方

Devious Machines Duckの使用例

ここからはDevious Machines Duckの使い方を簡単に解説していきます!

基本のダッキング

そもそもダッキングとは何か、を一応説明しておくと、キックが鳴っている間に他のパートの音量を引っ込めることで、独特のグルーヴを生み出したりMIXをしやすくするためのテクニックのことです。

特にクラブミュージックでは、キックとベースに迫力を持たせて聴かせることが重要になります。

音楽の構成要素の中でもキックは特に低音が突然大きな音で鳴るパートであるため、他のパートと重ねた時に埋もれやすかったり、無理に大きくするとクリップ(音割れ)しやすかったりなどの課題があります。

そこで、キックが鳴ったタイミングで瞬間的に他のパートの音量を小さくし、キックのピークが過ぎてから他パートの音を出すという手法が生まれました。これがダッキングです。

本来はサイドチェインコンプレッサーを使い、キックをトリガーにして他の音を圧縮する手法が取られていました。(そのため、ダッキングのことを指して『サイドチェイン』と呼ぶ場合もあります)

現代では音のコントロールのしやすさ・利便性などから、パートの音量を直接プラグインなどで操作する手法が主流になっています。

画面中央(①)にはエンベロープエディタがあり、ダッキングの音量変化を視覚的に表します。

Speed(②)がここでは1/4(小節)に設定されているので、エンベロープエディタの端から端までが1拍分の音量変化を表します。

エンベロープエディタ上の大きな丸(ブレイクポイント)をドラッグすることで、音量変化の形が変化します。
丸と丸の間の点をドラッグすることで、エンベロープを構成する線のカーブが変化します。
エンベロープエディタ上の任意の場所をダブルクリックすると新たにブレイクポイントを作ることができます。
もう一度ダブルクリックするとブレイクポイントが消えます。
Shiftを押しながらブレイクポイントをドラッグすることで、エンベロープエディタ背景のグリッドに合わせて丸がスナップします。

Amount(③)を変更すると、ダッキングエフェクトの掛かり方を調整できます。
Amountが100%の時、エンベロープエディタ上で線が一番下にある間は無音になります。
極端なダッキングになってしまうため、作る曲のジャンル・パートの種類によってこのパラメーターを調整します。

カーブプリセット(④)からエンベロープのカーブを簡単に選択することができます。
シンプルなダッキングであってもちょっとしたカーブの違いによってグルーヴ感は大きく左右されるので、まずはここからカーブの形を選んでみると良いでしょう。

プリセットブラウザ(⑤)では購入したその日からすぐに使えるファクトリープリセットを選択したり、自身で作成したプリセットの保存・呼出が可能です。
単純なダッキングだけでなく、サウンドにクリエイティブなリズムを付けたり、トランスゲートやグリッチのような効果を加えることも可能です。ぜひ一度覗いてみてください。

Trigger Mode(⑥)では、ダッキングをトリガー方法を選択できます。
・Repeat : Speed(②)で設定した速さで常にループし続ける。四つ打ちなどではこのモード。
・Midi : MIDIトラックを用意し、ノートを打ち込んだタイミングでトリガーする。
・Sidechain : 別のオーディオトラックからサイドチェイン入力を行い、音が入力されたタイミングでトリガーする。Drum’n’Bass, Dubstepなど非四つ打ちジャンルに便利。
・Plugin input : Duckをインサートしたトラック自身の音に反応してトリガーする。

より詳細な使い方
各部名称
  • ①プリセットブラウザ : ファクトリープリセットの選択、自身で作成したプリセットの保存・呼出が可能。
  • ②Input Level : プラグインの入力音量をメーターで表示。
  • ③Sidechain/Output : エンベロープエディタに表示する波形を選択。サイドチェイン信号は赤で、出力信号は白で表示される。
  • ④Envelope Mirroring : エンベロープを上下/左右反転。
  • ⑤Grid Size : エンベロープエディタ背景のグリッドの分割サイズを設定。
  • ⑥エンベロープエディタ : ダッキングの音量変化を示すエンベロープを描く。(詳細は上記参照)
  • ⑦Output Level : 出力音量をメーターで表示。また最終的な出力音量を調整可能。
  • ⑧Speed : エンベロープが端から端まで動く時間を、DAWで設定したBPMに対する拍で設定。
  • ⑨Group : 1つのプロジェクト内で複数のDuckをインサートした場合、同じグループに設定したDuckは同期して常に同じエンベロープを描く。エンベロープ以外のパラメーター(Speed, Amountなど)は同期されない。
  • ⑩カーブプリセット : シンプルなダッキングやリズムに対応したエンベロープカーブのプリセットをすぐに選択可能。
  • ⑪Amount : ダッキングする深さを調節。
  • ⑫Crossover Section : LowとHighの二つの帯域に分け、ダッキングの深さを個別に調節することが可能。キックと被りやすい低域は深く、音程は聴こえやすい高域は浅くダッキングすることで、フレーズ感を残したままグルーヴを出すことが可能。
  • ⑬Smoothing : エンベロープの始点などで「プチッ」というようなノイズが生じる場合に、Smoothingパラメーターを上げると信号がクロスフェードしてノイズが軽減される。
  • ⑭Trigger Level : ⑮Trigger ModeがSidechainまたはPlugin inputの時、トリガーが反応する信号レベルを決定。低すぎるとサイドチェイン信号がTrigger Levelを超えっぱなしになり、高すぎるとTrigger Levelに引っかからないので、サイドチェイン信号のアタックが毎回Trigger Levelを超える高さに設定することが必要。
  • ⑮Trigger Mode : ダッキングのトリガー方法をRepeat, Midi, Sidechain, Plugin inputの4種類から選択。(詳細は上記参照)
Crossover Sectionについて
  • 左上のパワーボタンがオンの時のみCrossover Sectionが有効。オフの時は全体域が一括でダッキングされる。
  • Crossover : LowとHighに分割する周波数を選択。
  • Low : Crossoverで選択した周波数よりも低域に対してダッキングの深さを調節。
  • High : Crossoverで選択した周波数よりも高域に対してダッキングの深さを調節。
  • Low/Highの右側にあるSoloボタンをクリックすると、選択した帯域のみをソロで聴くことが可能。
  • Low/HighはAmountで設定した値に対する割合として設定。
    例:Amountが80%, Lowが100%→80%の深さで低域がダッキング
      Amountが80%, Highが50%→40%の深さで高域がダッキング
Trigger Settingについて
  • Trigger ModeがSidechain, Plugin inputの場合
  • ①Filter : サイドチェイン信号にフィルターを掛け、特定の帯域だけをトリガーに使う。
    例えばドラムループをサイドチェインに入力し、キックのみにトリガーを反応させるような使い方が可能。
  • ②Hysteresis : サイドチェイン信号が設定値を下回るまで再トリガーを防ぐ。
  • ③Hold-off : 再度トリガーされるまでの最低時間を設定し、瞬時に複数回トリガーされることを防ぐ。
  • ④Lookahead : 値を設定するとサイドチェイン信号の先読みを行い、プラグインの処理遅延などでトリガーが遅れている場合などにタイミングを合わせることが可能。
  • ⑤Headphone : オンにするとサイドチェイン入力されている信号のみを再生。①Filterが適用された後の音を聴くことが可能。

  • Trigger ModeがMidiの場合
  • ⑥Lookahead : ④Lookaheadと同様
  • ⑦Input Note Range : トリガーを適用するMIDIの範囲を設定。
    例えばドラムサンプラーを鳴らしたMIDIを流用し、キックに相当する範囲のMIDIのみをトリガーに使うことが可能。
使用例

【ベース】

↑Duck適用前   Duck適用後↓

ただ伸ばしているだけのベースでも、ダッキングを行うことで裏打ちのフレーズ感とグルーヴが生まれます。

【コードシンセ】

↑Duck適用前   Duck適用後↓(Crossover設定なし)

↓Duck適用後(Crossover設定あり)

Crossoverを適用することで、低域は深くダッキングしてキックとの干渉を回避、高域は浅いダッキングでフレーズ感を生かすことが可能です。

まとめ

Devious Machines Duckは、クリエイティブと利便性を両立した最高のダッキングプラグインです。

クラブサウンドに必須のテクニックを簡単に、より繊細に楽曲に与えることができるようになるはずです。

皆さんもぜひDuckを取り入れて、唯一無二のグルーヴを生み出してみてはいかがでしょうか。

こちらの記事はDTM・プラグインに精通したクランとリオンSTAFFが執筆した記事となります。

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