真空管の自然なコンプレッションをDAW上で!Fairchild Tube Limiter Collectionの使い方を解説!

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実機は100万円以上!?歴史あるコンプレッサーをプラグイン化!

世の中に数多く存在するコンプレッサープラグイン。場面によってそれらを使い分けることで、「音を圧縮する」という以上の効果が期待できる場合があります。

Fairchild Tube Limiter Collectionは、コンプレッションの自然な掛かり方と真空管の豊かなサウンドによって、あらゆる場面で使えるプラグインです。

この記事では特に初心者の方に向けて、Fairchild Tube Limiter Collectionの効果的な使い方を紹介していきます。

Fairchild Tube Limiter Collectionの購入先

Fairchild Tube Limiter Collectionを含むTriple Crown Compressor Bundleは5月29日夕方までセール中!
3種8機のコンプレッサーが入って通常約153,000円のところ約8,400円!

Fairchild Tube Limiter Collection単品購入の場合も、通常約51,000円のところ87%オフ!約6,650円!

Fairchild Tube Limiter Collectionはこんな方におすすめ!

こんな方にオススメ!
  • 自然に音量感を揃えるようなコンプを掛けたい方
  • 万能に使えるアナログコンプレッサーが欲しい方
  • 真空管特有のサチュレーションが欲しい方

Fairchild Tube Limiter Collectionの使用例

ここからはFairchild Tube Limiter Collectionの使い方を簡単に解説していきます!

設計が異なる2種類のモデル

本Collectionには、Fairchild 660 CompressorとFairchild 670 Compressorが同梱されています。

本来660はモノラル用、670はステレオ用に設計されていますが、本プラグインは両プラグインをモノラル/ステレオどちらのトラックにも適用することができます。

当記事では、機能の基礎となる部分をFairchild 660で説明した後、Fairchild 670特有の機能を説明します。

基本の使い方

Fairchild 660では、①Input Gainと②Thresholdを調節することで圧縮量を調整できます。

Input Gainは-14dBの時にユニティゲイン(入力音量と等しい)で、-∞~0dBの範囲で調節可能です。

Thresholdは数値を大きく設定するほど閾値が低くなり、圧縮量が増えます

③VUメーターをGR(ゲインリダクション)に設定することで、音の圧縮量が確認できます。

アタックタイム・リリースタイム(圧縮の掛かり始め/戻る時間)は、④Time Constantから6種類の設定(後述)を選ぶことができます。
全体的にコンプの掛かり方は遅めで、突発的なピークを潰すよりも滑らかに音量感を揃えることに向いています。

最終的な出力音量は⑤Output Gainで調整します。-20~+20dBの範囲で設定可能です。

同量の圧縮量を得るために、
・Input Gainを上げてThresholdを下げる
・Input Gainを下げてThresholdを上げる

という2通りの方法があります。

これらは全く同じ結果になるわけではなく、Input Gainを上げるほど歪みが大きくなり、真空管のサウンドが強く付加されるようになります。

歪みを加えて積極的に音作りをしたい場合はInput Gainを上げる、自然に滑らかなコンプレッションが欲しい場合はThresholdを上げるというように使い分けるのがおすすめです。

またテクニックの一つとして、Thresholdを0に設定すると全く圧縮が行われなくなります。

この状態でInput Gainを上げ、Outputで音量を調節すると、サウンドを圧縮せず歪みのみが付加されるようになります。

真空管の歪みは音が破綻しづらく、自然に音の厚みを出したり太さを与えることができます。

詳細な使い方
各部説明
  • ①プリセットブラウザ : 購入したその日からすぐに使えるファクトリープリセットを選択したり、ユーザーが作成したプリセットの登録・呼出が可能。
  • ②パワースイッチ : プラグイン自体のバイパスオン/オフを切替。
  • ③VUメーター : ④メータースイッチによって決められた値を表示。
  • ④メータースイッチ : IN(入力音量)、GR(ゲインリダクション/圧縮量)、OUT(出力音量)から選択し、③VUメーターに表示させる内容を選択。
  • ⑤ヘッドルームコントロール : 内部処理の際の基準となるレベルを調節し、圧縮のしやすさ・歪みやすさを調整。右に回すほど大ゲイン(音色変化が大きい)、左に回すほど小ゲイン(音色変化が小さい)
  • ⑥バランス : 主に音のアタック部分で発生する位相ずれを調整。原則としてデフォルト(中央)の時ずれが最小になるよう設定されているため、特別な効果が必要でない限り設定は不要。
  • ⑦Input Gain : コンプレッサー回路に入力される音量を設定。-14dBの時プラグインの入力音量と等しい。
  • ⑧Threshold : 信号の圧縮が始まる閾値を設定。数値が大きいほど強い圧縮がかかる。
  • ⑨Time Constant : アタック/リリースタイムについて6種類の組み合わせから選択可能。
  • ⑩Sidechain Filter : 圧縮のトリガーとなる信号にローカットフィルターを適用。過剰な低域にスレッショルドが反応してしまう際など、不必要な圧縮を避けることが可能。
  • ⑪D.C. Threshold : 圧縮の際のレシオとニーのカーブを連続的に変更。左に振り切ると極端なリミッティングに近づき、右に回すほど緩やかなコンプレッションカーブが得られる。
  • ⑫Output Gain : 最終的な出力音量を-20~+20dBの範囲で設定。
  • ⑬MIX : プラグインを通らないドライ音とエフェクトのかかったウェット音の比率を設定。
Time Constant
  • 1 : アタック→0.2ms, リリース→300ms
  • 2 : アタック→0.2ms, リリース→800ms
  • 3 : アタック→0.4ms, リリース→2s
  • 4 : アタック→0.8ms, リリース→5s
  • 5 : アタック→0.2ms, リリース→自動(単発:2s/ピークが頻発:10s)
  • 6 : アタック→0.4ms, リリース→自動(単発:0.3s/ピークが頻発:10s/常に高い信号:25s)

Time Constantを5・6に設定した場合、入力信号の状態によってリリースタイムが自動で変化します。

(例 : 6)
ひとつのアタックから次のアタックまでの間隔が0.3秒(=300ミリ秒)以上空いている場合、リリースタイムは0.3秒(スネアなど)
ひとつのアタックから次のアタックまでの間隔が0.3秒未満に連続する場合、リリースタイムは10秒(ピアノ、ボーカルなど)
信号が常にスレッショルドを超えているような場合、リリースタイムは25秒

660と670の違い
  • ①VUメーター、Input、Threshold、Time Constant、Sidechain Filter、Outputについては2チャンネル分が搭載。
  • ②AGCスイッチ : 各2チャンネルの設定をLEFT/RIGHTとLAT/VERT(=ミッド/サイド)モードで切り替える。LAT/VERTモードに設定した場合、他のパラメーターはLEFT側がLAT(ミッド)、RIGHT側がVERT(サイド)。
  • ③リンクスイッチ : サイドチェイン、及び各パラメーターのコントロールについて、2チャンネル間でのリンクのオンオフを切り替える。
    サイドチェインリンクがオンの場合、2チャンネルどちらかの信号がスレッショルドを超えた時点で同量の圧縮が適用される。オフの場合、個別の感度で圧縮される。
使用例

例1 : ボーカル

↑加工前   ↓加工後

Inputはユニティゲインのまま、Thresholdを上げてリダクションさせ、VUメーターでのゲインリダクションが-3dB付近になるよう設定しました。

圧縮された分の音量をOutputで補っています。

自然に音量感を整え、うっすらと質感を加える効果が期待できます。

例2 : ドラム (プリセット : Drum Room Nukeを微調整)

↑加工前   ↓加工後

Inputを大胆に突っ込むことで、分かりやすく音色の変化を狙っています。

ここでは-7dB前後のゲインリダクションがあります。今回はMIX100%で掛けていますが、MIXを調整してパラレルコンプレッションとして使っても良いでしょう。

まとめ

Fairchild Tube Limiter Collectionは、真空管の歪みと自然なコンプレッションが得られるアナログモデリングコンプレッサーです。

ビンテージの実機は100万円を優に超えることで有名で、ほとんどの人は手が出せるものではありませんが、プラグインによってそのサウンドをDAW上に再現することが可能です。

皆さんもぜひFairchild Tube Limiter Collectionを取り入れて、あらゆる用途に真空管サウンドを加えてみてはいかがでしょうか。

こちらの記事はDTM・プラグインに精通したクランとリオンSTAFFが執筆した記事となります。

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